研究課題
本研究の最終目的は①小動物PET、オートラジオグラフィー(ARG)、病理との対比によるPOC取得、②臨床でのPOC取得の為の探索的検討の2つである。本年度の実績を以下に記載する。本年度はCOVID-19の影響で臨床試験ができなかったため、①に注力し研究を行った。①小動物PET、ARG、病理との対比によるPOC取得:2020年度では、昨年度に最適化した薬剤処理プロトコールに、放射線を組み合わせた際の抗腫瘍効果の増強について検討を行った。具体的にはエリブリン投与(1.0mg / kg)7日後の腫瘍に10GyのX線を照射したところ、腫瘍増殖の有意な遅延が観察された。加えて、X線照射時の18F-DiFA蓄積レベルとその後の腫瘍成長阻害期間には相関が認められた。現在、研究成果について国際誌European Journal of Nuclear Medicine and Molecular Imagingに投稿中である。また、日本放射線影響学会第63回大会において発表報告を行った。②臨床でのPOC取得の為の探索的検討:昨年度までに作成した標準書、及び製造・品質試験に関する標準操作手順書等に従い、低酸素イメージング剤([18F]FMISO:10回、[18F]FDiFA:2回)のテスト合成、品質試験を実施した。その結果、性状及び粒子の有無、pH、放射化学的純度、科学的純度等の品質試験基準に適合した製剤を合成できることが確認された。合成した低酸素イメージング剤を動物実験のために供給した。臨床研究はCOVID-19の影響により実施が困難であり施行できなかった。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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