研究課題/領域番号 |
18H02907
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
木下 学 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 准教授 (70531391)
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研究分担者 |
守本 祐司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 生理学, 教授 (10449069)
中島 弘幸 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 助教 (10574064)
武岡 真司 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20222094)
鈴木 博章 筑波大学, 数理物質系, 教授 (20282337)
小野 聡 東京医科大学, 医学部, 兼任教授 (30531355)
宮崎 裕美 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 外傷研究部門, 助教 (30531636)
四ノ宮 成祥 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 分子生体制御学, 教授 (40505260)
中島 正裕 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 助教 (70738103)
関 修司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 教授 (80531392)
齋藤 大蔵 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 外傷研究部門, 教授 (90531632)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 薬剤耐性菌敗血症 / Compromised hosts / LPSプレコンディショニング / 貪食細胞機能強化 / 抗菌活性測定チップ |
研究実績の概要 |
LPSプレコンディショニングをマウスに誘導すると、骨髄由来のマクロファージが活性化して肝臓に集積した。このマクロファージは非特異的な貪食殺菌能を有していたが、炎症性サイトカインの産生は抑制されていた。さらに、マラリア感染赤血球に対しても貪食能が亢進しマラリア排除に働いていた(論文投稿中)。一方、TNFなどとは対照的にマクロファージのIL-12産生能は比較的保たれており、これが刺激となってNatural killer (NK細胞)やNKT細胞の抗腫瘍活性が増強し、肝転移を抑制することも分かって来た。しかしながら、IFN-gammaの産生能は減弱していた(論文投稿中)。また、LPSプレコンディショニングは中枢神経系にも作用し、マウスのPTSD様行動の抑制にも有用性が示唆された(Progress in Neuro-Psychopharmachology & Biological Psychiatry, in press)。臨床的にLPSプレコンディショニングの導入が有用と考えられるCompromised hostsでは、その迅速診断が重要となって来る。マウスにメンタルストレスモデルである水浸拘束ストレスを施すと運動パフォーマンスの低下と共に好中球の殺菌能も減弱することが分かり、論文報告した(Sci Rep, 9; e4562)。さらに、この好中球の殺菌能減弱を開発中の抗菌活性測定チップを用いて、迅速診断することができ論文報告した(Med Sensor Device, 2; e10030)。本抗菌活性測定チップはcompromised hostsの迅速診断に有用と考え、量産化を目指して構造をより簡素化した改良型を作製した(論文作成中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
LPSプレコンディショニングの生体での多彩な作用効果が分かって来た。また、LPSプレコンディショニンを臨床で導入すべきCompromised hosts症例の迅速診断にも、抗菌活性測定チップの量産化により実現に近づいている。
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今後の研究の推進方策 |
FDAで認可を受けているサルモネラ菌由来のMonophosphoryl Lipid A (MPLA) を用いたLPSプレコンディショニン誘導を確立する。さらにヒト末梢血単核球を用いた検討を行う。
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