研究分担者 |
守本 祐司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 生理学, 教授 (10449069)
中島 弘幸 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 助教 (10574064)
武岡 真司 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20222094)
鈴木 博章 筑波大学, 数理物質系, 教授 (20282337)
小野 聡 東京医科大学, 医学部, 兼任教授 (30531355)
宮崎 裕美 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 外傷研究部門, 助教 (30531636)
四ノ宮 成祥 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 分子生体制御学, 教授 (40505260)
中島 正裕 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 助教 (70738103)
関 修司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 免疫・微生物学, 教授 (80531392)
齋藤 大蔵 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 外傷研究部門, 教授 (90531632)
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研究実績の概要 |
LPSプレコンディショニングをマウスに誘導すると、骨髄由来の単球系マクロファージが肝臓に集積し、非特異的な貪食殺菌能を増強していた。これらマクロファージは緑膿菌やメチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対しても旺盛な貪食殺菌能を示す他、マラリアが感染した赤血球に対しても貪食殺効果を有していた(Ono, Infect Immun in revise)。このLPSプレコンディショニングの炎症応答を抑制し貪食能を亢進させる作用は、中枢神経系にも有用で、マウスのLPS誘導性の抑うつ作用にも改善作用が認められた(Koga, Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry 103:109978, 2020)。さらに興味深いことに、LPSプレコンディショニングを誘導したマウスでは単球系マクロファージのIL-12産生能は抑制されず、Natural Killer T細胞ではPerforinやgranzyme Bの産生が亢進し抗腫瘍活性が増強し、マウス大腸癌株の肝転移が顕著に抑制された(Nishikawa, J Gastro Hepatol in press)。このようにLPSプレコンディショニングは、重症感染症だけでなく癌転移の抑制にも効果が示唆された。また、TLR4の特異的アゴニスト(MPLA)を用いたプレコンディショニングでも、LPSプレコンディショニングと同様に単球系マクロファージの炎症性サイトカインの産生抑制と貪食殺菌能の亢進が誘導されたことより、LPSプレコンディショニングは単球系マクロファージへのTLR4を介した刺激で誘導できることが示唆された(論文準備中)。 Compromised hostでの貪食細胞の殺菌活性減弱を迅速評価する抗菌活性評価チップの開発では、今年度はさらにチップの改良を施し、より鋭敏かつ迅速に、大腸菌の他にも緑膿菌やメチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対する貪食細胞機能も評価できるようになった(Hsueh, Analytical Chemistry in press)。
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