本研究は、石灰化骨基質の構成要素であるリン酸供給に対する副甲状腺ホルモン(PTH)の作用を検討した。PTH投与マウスでは、TNAP、ENPP1、ANKなどのリン酸供与膜輸送体・酵素およびSIBLING familyの発現を上昇させることで基質石灰化を亢進させていた。一方、低リン血症を示すNaPiIIa/IIcマウスでは、リン酸供与膜輸送体・酵素群の発現に変化がなく骨量が減少したが、Phex変異を有するHypマウスでは、未石灰化領域が広範囲に存在していた。以上、PTHはリン酸の供与を上昇させ、Phex/SIBLINGを介して石灰化を調節すると考えられた。
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