研究課題/領域番号 |
18H03029
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
杉本 なおみ 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 教授 (70288124)
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研究分担者 |
酒井 郁子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (10197767)
大西 弘高 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (90401314)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 職種間連携 / 卒後教育 / 医療コミュニケーション学 / 医師・看護師関係 / 医療者教育学 |
研究実績の概要 |
【研究成果の具体的内容】医師・看護師連携能力向上を目的とする約30分の教育プログラムを開発し、東日本2地域の医療機関に勤務する臨床経験3年目以上かつ役職未経験および当研究班の開発した研修未経験の医師・看護師32名に対し実施した。研修受講前・受講開始時点・受講直後・受講6-12ヶ月後の4時点において、参加者自身による評価(連携能力=CICS29尺度、実臨床への適用意志=質問紙CTCS)および客観評価(連携に関する知識・能力を問う質問紙VAATおよび相手職種に抱く先入観の度合いの測定尺度IPIAT)の経時的変化を測定した。4時点の測定すべてに協力の得られた22名のデータは、受講6-12ヶ月後分を除き分析を終え、「チームマネジメントスキル」および「患者に敬意を向けるケアの提供」の自己評価に受講前・開始から直後にかけて有意の上昇が見られた。また「相手職種のステレオタイプに即した回答の頻度」および「相手職種のステレオタイプに反する回答に要した時間」の客観評価も受講前から直後にかけて有意に減少した。
【研究成果の意義】先行研究で多用されてきた当事者による自己評価に加え、本研究では客観評価を複数導入したことにより、さらに適切・正確な評価および主観・客観評価の照合が可能となった。また、先行研究においては受講1-3ヶ月後時点で行われることの多かった長期効果測定を6-12ヶ月後時点で行うことで、より現実的な評価が可能となった。
【研究成果の重要性】臨場感の高いシナリオと適切な教育原理に沿う学習方法を用いたプログラムであれば、30分という短時間であっても十分な効果が得られることが判明した。卒後教育においては、様々な制約から長時間の拘束を伴う従来型の研修の開催が困難な場合があるが、本研究の成果により、現任教育においてもより簡便かつ広範な医師・看護師連携能力向上を目的とする教育介入の可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた全データの収集は完了している。
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今後の研究の推進方策 |
残りの研究期間においてデータ分析・論文執筆・学会誌への投稿および学会発表を行う予定である。
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