研究課題/領域番号 |
18H03123
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
荒井 陽一 東北大学, 医学系研究科, 客員教授 (50193058)
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研究分担者 |
川守田 直樹 東北大学, 大学病院, 助教 (00617524)
山下 慎一 東北大学, 大学病院, 講師 (10622425)
伊藤 明宏 東北大学, 医学系研究科, 教授 (70344661)
三塚 浩二 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (80568171)
川崎 芳英 東北大学, 大学病院, 助教 (80722256)
泉 秀明 東北大学, 医学系研究科, 助教 (80722545)
嶋田 修一 東北大学, 大学病院, 助教 (80749218)
佐藤 琢磨 東北大学, 大学病院, 助教 (80804856)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 前立腺全摘術 / 尿失禁 / 性機能 / リハビリテーション |
研究実績の概要 |
前立腺全摘術の二大後遺症として性機能障害(ED)と尿失禁があり、それらは前立腺全摘術後の患者QOLを著しく障害している。本研究では以下の観点から革新的かつ包括的アプローチを構築し、前立腺全摘術後の機能的アウトカムの飛躍的改善を目指して研究を行っている。1.フレキシブル電極を用いたニューロモジュレーションによる新規EDリハビリテーション法の開発、2.術後尿失禁の患者因子の同定とこれに基づく臨床決断ツールの開発。 平成30年度の研究ではラット海綿体神経損傷モデルを用いて海綿体内圧と動脈圧を同時に測定しながら勃起に有用な電極の条件を検討した。また、仙骨神経からの分枝である骨盤神経を電気刺激して膀胱、前立腺、陰茎の血流が増加することを確認した。仙骨部から骨盤神経を刺激する電極を開発中で、フレキシブルシルク電極を用いたニューロモジュレーション法を確立する予定である。 前立腺全摘術後の尿失禁の患者因子の同定と臨床決断支援ツールの開発においては約200例の症例から術後1、3、6、12ヶ月にExpanded Prostate Cancer Index Composite (EPIC)のアンケートを回収し尿禁制の評価を行った。は術前MRI画像にて括約筋外側の脂肪組織の厚みを計測して最小残存尿道括約筋長(Minimum residual urethral length、mRUL)を評価することで、mRULが術後の尿失禁に影響を及ぼすことを認めた。本研究で得られた成果をまとめ、平成31年度のアメリカ泌尿器科学会総会で報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物実験では仙骨神経からの分枝である骨盤神経を電気刺激して膀胱、前立腺、陰茎の血流が増加することを確認した。 また、前立腺全摘術後の尿失禁の患者因子の同定においては約200例の症例から術後のアンケートを回収することができた。
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今後の研究の推進方策 |
動物実験においてはラットを用いて仙骨部から骨盤神経を刺激する電極を開発して、フレキシブルシルク電極を用いたニューロモジュレーション法を確立する予定である。 前立腺全摘術後の尿失禁の患者因子の同定と臨床決断支援ツールの開発においてはさらに尿失禁の患者因子を検討し、臨床決断支援ツールの開発に着手する予定である。
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