本研究では、腎機能の低下が、直接臓器の代謝に影響を与えて個体老化を生じる病態を解明することを目的とした。研究の結果、慢性腎臓病で腎濃縮能が低下して多尿を生じる5/6腎摘出ラット、あるいはdiethylnitrosamine投与による肝不全ラットでは、体液維持のため腎臓で水分を再吸収することが必要となり、カタボリズムを生じて尿素が産生されて腎臓に蓄積すること、その破綻による代謝異常が皮膚の機能変化を介して高血圧を生じることが明らかとなった。 今後、本メカニズムの全貌を明らかとし、その制御法を開発することができれば、ヒトでも体調をコントロール可能となることが想定される。
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