遺伝子のde novo誕生は、ゲノム中の非遺伝子領域に突然変異が蓄積することで遺伝子が誕生する過程である。これまで、このような過程はほとんど起きないと考えられてきたが、ゲノム研究の進展により、それが遥かに一般的な過程であることが明らかになった。一方、この過程は、生物が新しい配列の遺伝子を探索する過程として捉えることができる。すると、僅か90塩基から成る短い遺伝子のde novo誕生でさえ、4の90乗を越える広大な状態空間が探索されていることになる。ここでは、ゲノムデータのバイオインフォマティクス解析により、広大な状態空間から数々の遺伝子を巧みに探しだす生物のアルゴリズムの全容を明らかにする。
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