研究課題/領域番号 |
18H03497
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
中西 陽子 日本大学, 医学部, 准教授 (90366592)
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研究分担者 |
増田 しのぶ 日本大学, 医学部, 教授 (20276794)
五味 悠一郎 日本大学, 理工学部, 准教授 (70440807)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | がん / 意思決定支援 / タンパク質 / 遺伝子 / 情報組織化 / 会議録 / エビデンス |
研究実績の概要 |
がんは日本人の死因の第一位であり、その割合は年々増加しているが、近年の分子生物学の発展により、がんの治療法は飛躍的に進歩してきている。患者個々の診断を確定することが治療法決定に必須となり、そのためには、患者毎のがん細胞が発現するタンパク質や遺伝子の状態を調べることが必要である。これらの分子検査情報は、非常に多岐にわたり一元化されていないことが、診断業務の効率低下につながる一方で、症例数の少ない希少がんは情報が少ないことが問題となる。 本研究は、典型がんにはエビデンスに基づく分子検査情報の組織化を、希少がんでは速報性に富む会議録の情報源としての活用可能性を明らかにすることを目的として、医師が、診断の際に簡便に使用できる情報提供システムの構築を試みてきた。 最終年度は、構築したシステムの機能を検証し、希少がんの同定と典型がんへの情報提供に加えて、臓器横断的な情報提供の可能性を明らかにすることを目的とした。 検証の結果、本システムは、患者から採取された臓器や組織の情報から、候補の診断名が得られ、これらを鑑別するための分子検査情報とそのエビデンス情報を簡便に表示できた。また、候補のがん種が、鑑別のための分子検査情報がないがん種であることを簡便に確認することができた。さらに、分子検査項目からは、様々ながん種での結果を一度に表示して比較できることが示された。分子検査項目による検索では、各項目が、がん種特異性の高い項目か、多くのがん種に用いられる汎用性の高い項目かという、分子検査項目の特性が示された。本研究により、情報の少ない希少がんにおいては、過去に発表された会議録を集積することで、各々のがん種に関連のある分子を抽出できる可能性が示された。本システムは、臓器別、あるいはがん種別に分散していた情報をがん種横断的に、一元的に提供することで、医師の情報格差解消に貢献できる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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