研究課題/領域番号 |
18H03568
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
星野 幸代 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (00303587)
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研究分担者 |
葛西 周 早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (00584161)
韓 燕麗 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10537096)
邵 迎建 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (30375315)
城山 拓也 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (60749109)
アン ニ 日本映画大学, 映画学部, 特任教授 (70509140)
楊 韜 佛教大学, 文学部, 准教授 (70614585)
西村 正男 関西学院大学, 社会学部, 教授 (80302652)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 建国期中国 / 移動 / 身体芸術 / プロパガンダ / メディア |
研究成果の概要 |
1940年代中国では、映画・演劇・舞踊・音楽・漫画の製作と上演・上映のプロセスで、往々にして日中・台湾を跨ぐ緊密な人的ネットワークが存在した。映画と音楽のジャンルでは特にメディア・ミックスが盛んで、抗日或は帝国プロパガンダを効果的に拡散した。終戦と国共内戦・中台分断による人々の大移動と離散の中で、帝国日本の文化記憶、また中国大陸における国民党系の文芸は公式には抹消された。一方で、トランスナショナルな戦時大衆文化の記憶は、政治的には禁じられても、その芸術性・プロパガンダ戦略・技術は引き継がれて1950年代にも残存し、その後の中華人民共和国および国民党統治下の台湾で復興した文芸の基盤となった。
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自由記述の分野 |
近現代中国文学、日中比較舞踊史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、日中・台湾芸術史で不可視化されて来た面を明らかにした。1940年代日中の身体芸術によるプロパガンダは、国共内戦、中華人民共和国および台湾の治政においても利用され続けた。これらの芸術およびプロパガンダ効果は、中国、台湾では現在なお研究しにくい。その理由は、国民党・共産党の協力下、或いは帝国支配下における文化は、公式の歴史観からは研究価値を認め難い為である。さらに、日本でも不可視化されてきたのは、侵略者側から帝国崩壊後に残留した文化の意義を検討しにくかった為である。これらを日中の研究者チームで明らかにしたことは日中比較芸術史の間隙を補完するとともに、歴史観の齟齬の解決に資する意義がある。
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