研究課題
本年度は、本研究計画の主要部として前年度に開始した太平洋最古の海底を含む海域における海底観測を完了した。機器の回収には、韓国海洋科学技術研究所(KIOST)の研究船(Onnuri)を使用した。この研究船は我々の研究グループとしても初めての利用なのに加え、昨年使用した大型船に比べ小型で船齢も古いなどによる制約が懸念されたため、前年度と同様に韓国側共同研究者(ソウル大学Li SangMook博士)およびKIOSTの担当者らとメール等を利用して意見交換しながら慎重に準備を進めた。さらに、8月には本研究の主な研究者(日本側:歌田、塩原、馬場、一瀬;韓国側:Lee SangMook博士、Kim YoungHee博士ら10名)と研究船乗組員とが韓国の巨済にある研究船母港において会合し、詳細な打ち合わせを行った。回収航海は、10月26日にグアムを出港し、前年度に設置した全ての装置を回収して11月9日にグアムに帰港した。途中、対象海域に台風が発生し急速に発達したため、回収作業は一時中断せざるを得ない事態もあったが、余裕を持った航海スケジュールを組んであったため、無事に当初の目的を達成することができた。12月には巨済から全ての機器の搬送も終了した。引き続き、回収したデータの処理・解析作業を開始した。1月20日ー31日の日程で、ソウル大のKim Hogyumを地震研究所に招聘して、海底電磁気データの処理・解析作業を共同で実施した。2月13日には日本側の研究者でミーティングを行い、データ処理・解析の進捗状況を確認し、今後の研究の進め方を議論した。本研究目的に関連する既存の観測データの解析を進め、結果を内外の学会で発表するとともに国際誌に公表した。
2: おおむね順調に進展している
韓国の研究船を利用して観測機器を設置・回収するというのは、我々グループにとって未体験であったが、ほぼ予定通りの場所および規模での観測を完了することができた。また、これまでに開発を進めてきたデータ解析手法による、2019年秋の航海で回収したデータの処理・解析も順調に開始することができている。残る1年で研究成果をあげることができるものと期待される。
国内の参加研究者間の連携を強化しつつ、韓国側研究者とも協力して研究を進め、目的を達成したい。
すべて 2019 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 2件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (24件) (うち国際学会 11件、 招待講演 3件) 備考 (2件)
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