研究課題
グラフェンは炭素のみからなる原子厚みの二次元物質であり、多くの優れた物性から、光・磁気・バイオセンサー、高周波トランジスタ、フレキシブル透明電極といった幅広い応用が期待されている。本研究では、代表者が開発した「エピタキシャルCVD法」に基づき、グラフェンに関する新たな学理の構築と応用基盤技術の確立を目的として総合的な研究を展開した。特に、エピタキシャルCVD法では、サファイア上に製膜したCu(111)膜の双晶欠陥の抑制による単層グラフェンの高品質化や結晶粒界の生成に関して研究を進め、超高品質合成に向けた多くの知見を得ることができた。また、半導体デバイス応用や超伝導の発現などが期待される二層グラフェンについて、層数をほぼ完全に制御したテーラーメード合成法を開発した。さらに、機械学習に基づいてラマンスペクトルからツイスト角度を解析する手法を開発することに成功した。この成果は、今後のツイスト角度を制御した二層グラフェン合成に活用できると期待される。また、二層グラフェンの層間へのインターカレーションに関してもツイスト角度が大きな影響を与えることを見出すなど、非常にユニークな知見を得られ、インターカレーションにより50Ω/□を切る低抵抗の二層グラフェン電極の作製にも成功した。グラフェンの転写に関しても、ドライ転写法に大きな進展が見られ、今後大きなインパクトを与える研究に発展する結果が得られつつある。また、多くの研究者に単層、及び二層グラフェンを提供し、リチウムイオン電池応用等に向けた重要な知見が得られるなど、将来のより一層の発展に向けて有意義な成果を得た。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 7件、 招待講演 10件) 備考 (1件)
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