研究課題
最終年度は、2022年度は、以下の2つの項目を中心に実施した。①リチウム硫黄電池オペランドセルの作製と充放電過程のイメージング真空試料チャンバー内で電解液を封止可能かつ電解液によるX線吸収が十分に小さいなどの要件を満たすX線タイコグラフィ計測用オペランド電池セルを作製した。セルは二枚の窒化ケイ素膜メンブレンチップと35μm厚のカプトンスペーサーから成り、その中に電解液を封入することで電解液層の厚みを抑えた。二枚のメンブレンチップの両面には金属膜を蒸着して電極の役割を担わせ、一方には正極材として集束イオンビームで切り出した硫黄変性ポリブチルメタクリレートの小片をマウントし、もう一方には負極材として電気化学的にLiを挿入したInを担持させた。正極に対するテンダーX線タイコグラフィ計測をS K端近傍の30点で実施した。その結果、X線タイコグラフィによる電解液中試料の観察および空間分解X線吸収スペクトルの取得に成功した。②薄膜型全固体電池の充放電過程のイメージング薄膜型全固体電池のオペランド計測を行い、正極層の化学状態変化とリチウムイオンの挿入脱離に伴う電子密度変化のナノスケールでの可視化を検討した。試料としては、固体電解質LATP、正極としてLCO、負極としてFMO、集電体としてPt及びAu/Ptを製膜した薄膜電池試料を作製し、集束イオンビームによって光路長が25μmになるよう加工した。充放電状態における試料断面方向からの回折強度パターンをCo K端近傍の複数のX線エネルギーで回折強度パターンを収集した。そして、回折強度パターンに位相回復計算を実行し、位相像・吸収像及び空間分解XANESスペクトルを取得した。取得した位相像の正極層の固体電解質側において、充放電に伴う位相シフト量の変化を確認した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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