研究課題/領域番号 |
18K00165
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研究機関 | 群馬県立女子大学 |
研究代表者 |
塩澤 寛樹 群馬県立女子大学, 文学部, 教授 (60162567)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 肖像彫刻 / 安本亀八 |
研究実績の概要 |
2020年度は、新型コロナウイルスの流行とその感染防止の観点から、社会活動に大きな制約が加えられ、とりわけ首都圏から遠隔地への移動を制限せざるを得ない状況であった。このため、予定していた実地調査は交渉も十分には行えず、本調査も限定的な実施に止まらざるを得なかった。 その中で、調査活動としては、愛知・実相寺諸像、宮城・瑞巌寺伊達政宗像の補足調査を実施したほか、本調査としては大磯町郷土資料館において、「松本順立像」の調査・撮影を行うことが出来た。この像は、昨年度から調査を進めてきた安本亀八制作の肖像彫刻の一例であり、亀八の肖像彫刻の中でも数少ない立像である。松本順には写真資料が複数残され、本人との比較が可能である点で貴重な例といえる。さらに、立像によってあらわされていることも意外に意義を有すると考えられる。 また、この調査時に同館に寄贈された未紹介の亀八作例(「釣鐘弁慶像」と仮称する)を見出せたことは幸いで、亀八の制作活動を考察するうえで今後意義を持つ作例と考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度まではおおむね順調に進められていた本研究が、2020年度において遅れを被り、研究期間の延長をせざるを得なくなったのは、ひとえに新型コロナウイルスの流行による。特に、昨年度の六月までは小・中学校、高校は全面的に休校され、社会活動にも大きな制限が加えられた。研究者は特に感染が拡大していた首都圏に居住しており、その影響を大きく受けた。具体的には、移動に制限や自粛が求められたことにより、調査交渉や本調査を断念せざるを得ないケースが多かった。本研究は、実地調査を実施し、詳細な調書作成と写真撮影を遂行し、作例の基礎資料を作成することに大きな比重を置いている。上記事情により調査を行えなかったことが研究の遅れの理由である。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度においても、依然として新型コロナウイルスの流行は押さえられていない。とはいえ、昨年度に比べれば感染防止のノウハウは明らかにされており、またワクチンの普及によって状況の改善も期待されている。それらを踏まえれば、今年度は昨年度行えなかった調査を実施することも可能ではないかと予想している。その基礎資料を基に、研究遂行を図る予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、新型コロナウイルスの流行とその感染防止の観点から、社会活動に大きな制約が加えられ、とりわけ首都圏から遠隔地への移動を制限せざるを得ない状況であった。本研究においても、予定していた実地調査は交渉も十分には行えず、本調査も限定的な実施に止まっらざるを得なかった。このため、研究の延長申請をせざる得ず、これが認められたため、昨年度の残額を用いて今年度に研究を行う次第である。
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