研究課題/領域番号 |
18K00213
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
山口 悦子 (中上悦子) 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60369684)
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研究分担者 |
森本 玄 京都芸術大学, 芸術学部, 教授 (60411310)
村尾 仁 大阪医科大学, 医学部, 非常勤医師 (00278540)
佐和 貞治 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10206013)
山口 道也 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (20526892)
水本 一弘 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50239258)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アーツベイスド・ラーニング / 医療安全教育 |
研究実績の概要 |
今日の医療において、医療安全教育は重要な課題である。医療安全教育は単なる知識の習得やルールの周知にとどまらず、心理や身体的な感覚等にもアプローチし、職員に行動変容を促すような教育である必要がある。本研究では、芸術および創造的な表現の手法を活用したアーツ・ベイスド・ラーニング(Arts-Based Learning, 以下ABL)を応用して、成人学習者の患者安全における行動変容を促す教育を開発する。具体的には、①実用性の高い医療安全教育ABLプログラムを開発して、②医療安全教育ABLプログラムの学習効果や安全への影響を評価する方法として、既存の臨床指標や心理尺度のうち利用可能なものを活用・提示し、③医療安全教育ABLプログラムの汎用性を検討している。本研究では、研究チームの施設で実施する「試験実施」期間と、プログラムの利用を希望する病院でも試してもらう「公開実施」の期間を設けていた。しかしながら、コロナウイルス感染症蔓延の影響で、研究代表者が全員、医療安全担当であることも災いし、研究活動自体を休止せざるを得なかった。加えて、集合研修の禁止、会話や接触の禁止ということで参加型研修が著しく制限された。そのような状況下で、「試験実施」の時期を延期せざるを得なくなるとともに、これまで開発してきた教育プログラムをオンライン化するよう、研究の方向転換を余儀なくされた。 (1)研究計画の変更を検討するウエブ会議を3回実施した。 (2)インプロを応用したプログラムをオンライン化するプロジェクトを開始した。 (3)代表者の院内でオンライン・インプロを試験実施した。 (3)英国在住の応用演劇専門家をオンライン招請し、「オンライン・インプロ」教育プログラムのワークショップを実施した。 (4)e-ラーニングと心理的安全性(学習効果の評価指標)に関する論文を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
医学部附属病院に所属する研究代表者および分担者が医療安全専従医師であるため、コロナウイルス感染症対策に追われ、研究活動そのものを休止せざるを得なかった。また、会合・会話・接触の禁止により、当初予定していた参加型のABL開発の計画を、オンラインで実施できる教育プログラムの開発計画に変更しなければならなくなった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、本来、教育プログラムの公開実施を含め、最終年度となる予定であったが、延長申請を行う。今年度は、インプロ・エクササイズのほかにも朗読劇やゲーム等、新しくオンライン用に開発した教育プログラムの試験実施と公開実施を行ってデータを収集し、延長した次年度にまとめと公表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染症蔓延のため、医療安全専従の代表者・研究者は研究活動を休止せざるを得ず、医学部教員の代表者・研究者と協力してプロジェクトを遂行する立場の芸術大学分担者や研究協力者は、移動や医学部・病院内立ち入り制限によって研究活動を制限された。次年度は、オンラインでのプログラム開発の費用として、海外から専門家を招請する際の講師の謝金や教材の開発費、オンラインプログラムのための基盤の費用(サーバーの貸借費など)、学会参加費、論文校正費・投稿費、可能になれば旅費に使用する予定である。
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