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2021 年度 研究成果報告書

戦国武家の家門形成に果たした漢籍の役割研究-子部・集部の蒐集を中心にー

研究課題

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研究課題/領域番号 18K00345
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02020:中国文学関連
研究機関東北大学

研究代表者

磯部 彰  東北大学, 東北アジア研究センター, 名誉教授 (90143841)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード戦国大名 / 伏見・大坂時代 / 豊臣秀吉 / 豊臣秀次 / 漢籍・和歌写本 / 武家精華制度 / 室町文化の継承 / 家門形成
研究成果の概要

本研究では、戦国大名の家門形成に当時の書籍文化が深く関与していた点を、現存する蔵書と史料双方から分析した。その結果、室町幕府の衰退と運命を共にした守護大名家の文芸とは性格の異なる、伏見・大坂時代のルネッサンスとも言うべき新たな文化・文芸が戦国大名によって構築されたことが明らかになった。その背景には、朝廷を頂点とする「武家精華制度」という新たな律令国家体制の下で、戦国大名に、武力とともに文化的教養が自己の身分を保持することに有益である、という意識を芽生えさせ、積極的に典籍蒐集して伝統的な宮廷貴族の文化的装いを身に着け、家門確立の一助とする政治的動向があった。

自由記述の分野

東アジア文化史

研究成果の学術的意義や社会的意義

従来、戦国時代の大名家を見る時、多くは、その戦いに視点を注ぎ、文化や学問に対して冷淡であった。戦国大名は、戦闘を通して家門を形成はしたが、武力一辺倒ではなく、すぐに文化事業にも行動を移し、漢籍・和歌写本の収取を行った。その代表は豊臣秀吉や豊臣秀次、そして徳川家康らであった。この時代の為政者は、武家にも公家のような家格を与え、新しい時代の文化の担い手として、朝廷を中心に武家精華制度により社会の再建築を企てた。この行動は、室町文化を継承し、江戸時代の新しい文化を生み出す原動力となったことを解明した点で、新たな学術的意義を見出し、武士の世の中の本質を示したことで、意義がある。

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公開日: 2023-01-30  

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