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2020 年度 実施状況報告書

18世紀イギリス公共圏におけるトラヴェルライティングと感受性に関する歴史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K00432
研究機関成城大学

研究代表者

吉田 直希  成城大学, 文芸学部, 教授 (90261396)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード消費文化 / 財政=軍事国家 / 戦争 / グローバル
研究実績の概要

前年度の成果に基づき、国内外における旅行者の移動が意味する経済的諸問題、18世紀前半の名誉革命体制の確立、強化の歴史とともに感受性文学の多様性を明らかにすることを目的として研究をおこなった。そこで、ジョン・ブリュアの消費文化論を軸に、社交空間と消費空間の重なり合いに関する研究と20世紀の歴史化から着想を得たグローバル市民社会の可能性に関する研究に取り組んだ。その過程で、18世紀の公共圏文化の複雑性をさらに精緻に分析するためには、「財政=軍事国家」イギリスを長い18世紀という視点で歴史化する必要があると認識するに至り、デイヴィッド・エジャトンの『戦争国家イギリス』との共通点を検証することにより、感受性の歴史的変遷をジョン・ゲイの文学作品の解釈とともに検討した。さらに、The Birth of a Consumer Society (McKendrick 1982) 、The Origins of the English Marriage Plot (O'Connell 2019)を批判的に継承し、家族・性・結婚をめぐるナショナルな感受性文学の多層性について理論的枠組みを整理した。トランス・ナショナルな移動という側面については、世紀後半の感受性小説を人種・ジェンダー・経済の観点から包括的に論証したThe Politics of Sensibility (Ellis 2004)、グローバルな視点から小説と移動の文化を論じたThe Novel and the Sea (Cohen 2010)、他者との遭遇の重要性を移動の視点から哲学的・社会学的に論じたMobilities (Urry 2007) に文化的解釈を加え、上述のナショナルな理論に接合することに取り組んだ。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

予定していた研究会、海外での研究会、発表がコロナ禍によって中止となったため。

今後の研究の推進方策

ジョン・ブリュアの消費文化論を軸に、社交空間と消費空間の重なり合いに関する研究と20世紀の歴史化から着想を得たグローバル市民社会の可能性に関する研究から得られた理論的な枠組みを研究会での討論を通じて、さまざまな文学作品の分析に応用可能なものとしていく予定である。さらに、感受性の歴史的変遷をジョン・ゲイの文学作品の解釈とともに検討した点をふまえ、Pollyにおける植民地とジェンダーの関係を家族・性・結婚をめぐるナショナルな感受性文学との比較を通して明らかにしていく。トランス・ナショナルな移動という側面については、他者との遭遇の重要性を移動の視点から哲学的・社会学的に論じたMobilities (Urry 2007) に文化的解釈を加えてはあるが、上述のナショナルな理論に接合する方法論については、研究成果の報告と修正を通して総括を試みる。

次年度使用額が生じた理由

予定していた研究会、海外での研究会、発表がコロナ禍によって中止となったため。研究会再開後すみやかに使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 図書 (1件)

  • [図書] アール・デコと英国モダニズムー20世紀文化空間のリ・デザイン2021

    • 著者名/発表者名
      菊池かおり、松永典子、齋藤一、大田信良、高田英和、吉田直希、大道千穂、大谷伴子
    • 総ページ数
      301
    • 出版者
      小鳥遊書房
    • ISBN
      978-4-909812-57-5

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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