本研究では、主に三つのことを達成した。一つ目は、可変指標表現は、従来考えられていたものよりも多くの言語で見られ、日本語の助動詞に見られることを示した。二つ目は、可変指標表現と同一視されがちなlogophor表現との識別方法を確立したこと。最後に、指標表現の変化メカニズムを、当該分野で主に用いられるモンスター・オペレーターを使用した指標表現の変化ではなく、動詞句全体をシンボル表現とみなし、それを言及するutterance eventが別に存在するというRamchand (2018) Situations and Syntactic Structures, OUPの主張を用いて、変化を説明した。
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