研究課題/領域番号 |
18K00542
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
西田 光一 山口県立大学, 国際文化学部, 教授 (80326454)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 談話照応 / 代名詞 / 定名詞句 / 不定名詞句 / ことわざ / 慣習 / 情報共有 / 転用 |
研究成果の概要 |
本研究では談話照応に関わる、代名詞、定名詞句、不定名詞句、ことわざという4種類の表現を扱い、その違いを話し手と聞き手の情報共有度から明らかにした。代名詞は、話し手と聞き手が短い文脈、最短で1文を共有する場合に使い、文法を世界に関する知識を要しない知識とすると、文法的照応をなす。以後、語用論への依存度が増し、定名詞句による照応では、話し手と聞き手が長い文脈を共有し、聞き手は文脈の流れを追って先行詞を特定する。不定名詞句による照応では、先行詞の指示対象が有する一般的な属性に関する知識の共有が必要である。ことわざによる照応には当該表現の慣習的用法の共有が必要であり、最も広く世界の知識に依存している。
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自由記述の分野 |
言語学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
照応の機能を備えた代名詞と定名詞句とは違い、不定名詞句やことわざには、それ自体には照応に関わる意味がないが、主題の指示対象を周知の事物の一例とする慣習に従い照応的に使うことができる。従来、話し手と聞き手は文法的な表現を作り、理解する人とされるだけだが、文法から導かれない慣習的用法を共有した言語使用者の集団は、単なる話し手と聞き手を離れ、言語コミュニティの市民と言える。本来、非照応的な表現を照応に転用することは、市民としての言語運用であり、照応的な不定名詞句やことわざは、当該コミュニティで等しく期待される規範を表す。本研究の社会的意義は、慣習的表現から市民が社会参加する方法に着手したことである。
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