否定と副詞節の作用域に関する多義構造の理解における韻律や文脈の役割について探求し、言語間比較の立場から大きく3つの成果をあげた。まず、スペイン語のno-porque文の自然生起例をコーパス調査を通して吟味した。否定がporque節を作用域内にとる解釈の例はとても少ないものの、否定の作用域関係における解釈の選択と従属節内の動詞の「法」が対応していることがわかった。2つ目には日本語におけるオフライン実験(書かれた文章の解釈判断、音声の解釈判断)を改善し音響分析を行った。3つ目に、英語初級学習者を対象とした自己ペース読み実験において、トレーニングを加えた学習者用プロトコルを開発し実験を行った。
|