研究課題
基盤研究(C)
主な伝達手段として音声を利用しない手話言語にも韻律的特徴があることがわかっている。本研究は、アメリカ手話について、韻律的構造と意味用法の対応関係を明らかにすることを研究課題としている。アメリカ手話の曖昧文を使った調査分析により、複数の非手指要素が同時に入れ替わるタイミングと意味的な切れ目が一致すること、また韻律マーカーとしてまばたきが一つの重要な要素となっていることを示唆した。
音声学
手話言語は、言語学、社会言語学、脳科学、工学など様々な分野で研究が行われている。その中で手話言語の韻律的情報に関する分野は研究が比較的遅れていると言える。さらに、それぞれの韻律マーカーの特性については徐々に明らかにされつつあるものの、韻律と意味のインターフェイスに関する分野はまだ解明されていない点が多い。本研究は、手話言語の韻律的情報と意味用法の対応関係の一端を明らかにした点において意義があると言える。