研究課題/領域番号 |
18K00742
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
林 裕子 佐賀大学, 教育学部, 准教授 (10649156)
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研究分担者 |
近藤 悠介 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 准教授 (80409739)
石井 雄隆 早稲田大学, 大学総合研究センター, 助手 (90756545)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 自動採点 / 英語発話自動採点システム / 第二言語習得 / スピーキング / 高大接続 |
研究実績の概要 |
本研究は当初の予定より、約1年分、進捗が遅れている。申請時の計画では、今年度は主に以下の2点に取り組むことを記載していた。➀収集した発話データを用いて発話自動採点システムの構築に取り組む。その過程において,自動評価と評定者6名による人手評価の一致率を調べ,本システムの予測精度を検証する。次に、②その結果を基にDCTの内容や評価基準の精査を行い,CBT(改訂版)を設計する。今年度は➀を中心に進め、②の着手には至っていない。前年度に収集した音声データの書き起こし、採点基準の精査、採点業務を中心に進めた。合計で3種類の談話完成タスクを実施しており、それぞれに200~240名分の音声データが存在するため、作業の遂行に多くの時間を要した。音声データの書き起こしは、研究代表者1名,大学院生2名(英検1級取得者),英語話者教員(研究協力者)1名の4名体制で進めた。採点基準の精査は、まず、英語話者2名(研究協力者)と研究代表者の3名でワークショップを開き、ランダムに抽出した30名分のデータを採点し、スコアの乖離についての協議ならびに採点者間の信頼性係数の確認を行った。その後、採点業務に進み、研究代表者,大学院生2名(英検1級取得者),英語話者教員(研究協力者)2名の5名体制で取り組んだ。作業完了後に、研究分担者とのワークショップ・検討会議(オンライン)を開き、最終年度である2021年度に、音響モデルの構築と自動採点システム(CBT)の実用化(ソフトウェア化)に以下に取り組むことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、通常の教育・研究業務の形態が大幅に変更したことへの対応に時間を割かざるを得ず、研究代表者のみならず、関東圏にいる分担者においても、十分なエフォート率が捻出できない状態が続いた。そのため、本研究は当初の予定より約1年分程進捗が遅れており、1年間延長(承認済)して完成を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
文字起こしデータと採点結果を用いて、分担者2名と共同で、音響モデルの構築に取り組む。その後、本学(佐賀大学)コンテンツ共創ラボ(CCL)の教職員やソフトウェア関連企業と連携して 発話自動採点システムの実用化に取組む。本研究の成果をもとに、大学入学前教育や入学者選抜など,low-stakes文脈とhigh-stakes文脈の両側面から,高大接続英語教育への本システムの導入の可能性を検討する。それと並行し、論文執筆や学会発表など成果の発信活動に取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染拡大防止対策により各研究者の勤務形態が大幅に変更し、十分なエフォート率を割くことができず進捗に遅れが生じ本研究課題を1年延長することになったため。来年度は主に、自動採点システムの実装化と成果発表に研究費を充てる予定である。
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