研究実績の概要 |
2018年度から実施してきた小学校外国語活動用テキスト『Let's Try! 1・2』(中学年対象)と『We Can!1・2』(高学年対象)の分節音と超分節音の分析結果を精査し,各単元における音声出現頻度を明らかにした。高頻度の分節音(母音/ai/,/i/,/e/,/u:/,語頭子音/l/,/j/,/d/,語末子音/k/,/s/,/t/,/n/)や,およそ9割以上の出現頻度を占める下降調・上昇調イントネーションと末尾焦点については,重点的指導項目となる。 児童の発音の実態を調べるため,小学3年生が発音したアルファベット名称を音響分析した。アルファベット指導前と比較して指導後で改善した発音(A,C,F, H, K, M,N, O, S, X)がある一方,改善されなかった音(G, L, J, L, R, V, W, Y, Z)があり,これらの音については児童にとって発音が困難な音であると同時に,指導上の工夫が必要な音と考えられた。また,無声閉鎖音の気音(特に/p/)が弱いことが明らかとなり,音声指導マニュアルに重要事項として記載する。 アルファベットの名称の発音には約半数の英語音素が含まれるため,その重要性からアルファベットを扱った単元の指導マニュアルと米語母語話者の発音動画(DVDとQRコード)について改良を行った。さらに,国際共通語としての英語の観点から米音だけでなく,カナダ英語とオーストラリア英語話者の発音動画も作成した。米音のアルファベット名称,各母音・子音と子音連結の発音動画はコンテンツとして,研究分担者が開発を進めているICT活用の発音練習システムに組み込んだ。 『Let's Try! 1・2 指導編』の各単元の言語材料に記載されている語句と文について,米語話者2人による発音動画を収録した。今後,各単元に編集動画のQRコードを掲載するとともに,CDを作成予定である。
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