研究課題/領域番号 |
18K00827
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
田中 江扶 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (40524294)
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研究分担者 |
鈴木 俊太郎 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (10548233) [辞退]
島田 英昭 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (20467195)
青山 拓実 信州大学, 学術研究院教育学系, 助教 (20829486)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 英語教育 / 心理学 / 信念 / 対話的学び / 学習 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、(1)対話的学びの信念構造を特定すること、(2)(1)を4技能尺度化すること、(3)対話的学びの信念と学習行動の関係を明らかにすること、(4)対話的学びの信念の背景要因を明らかにすることである。 令和2年度は、令和元年度までの対話的学びの信念構造に関する文献調査をもとに、インターネット調査を行い、上記の(1)および(3)を達成した。大学生807名を対象に英語学習行動15項目、英語学習行動と成績の関係の信念15項目、英語動機づけ6項目、英語スキル6項目をオリジナルに作成し、回答を求めた。行動と信念について因子分析を行い、援助要請(項目例;行動「英語の勉強でわからないことがあれば、自分で調べるよりも誰かに聞く」、信念『「英語の勉強でわからないことがあれば、自分で調べるよりも誰かに聞く」は英語力(英語スキル)の向上につながる。』;以下行動と信念の関係は同様)、他者比較(行動「自分の英語力を他人と比較する」)、コミュニケーション(行動「英語は同じレベルの人たちと対話しながら勉強する」)の3因子を同定した。また、動機づけ、スキルについてもそれぞれ1因子を確認した。上記の因子について、共分散構造分析の結果、対応する信念と行動の関係は必ずしも一致しないこと、援助要請は信念・行動ともに動機づけ・スキルを低下させること、コミュニケーション行動は動機づけ・スキルを高めること等を明らかにした。一方で、行動と信念に関する項目が各因子3項目ずつと少なく、より安定して各因子を測定できる尺度構成が課題として残された。この結果は、令和3年度に学会において報告を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概要記載の(1)(3)は現時点でおおむね達成できた。また、(1)の達成により、(2)はその結果を一般化した調査を行えばよいので、想定通り進むと見込んでいる。一方で(1)(3)の結果が当初予想とは異なるものであり、(4)の実施は研究期間内に困難ではあるが、この予想は申請書記載の時点で見込んでいたため、総合するとおおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
概要記載の(1)(3)の結果において、信念・行動の因子構造が当初の予想と異なり、また測定の安定性をさらに確保する必要が生じた、これらの問題解決を行う。並行して(2)の調査を現時点の結果を用いて実施する。得られた結果については、順次学会等で報告する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度までに実施するインターネット調査の回数が想定より少なかったことと、新型コロナウイルス感染症により国内・海外への出張ができなかったため、繰越が生じた。令和3年度の調査経費および旅費に繰り越して使用する予定である。
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