研究課題/領域番号 |
18K00849
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
近藤 悠介 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 准教授 (80409739)
|
研究分担者 |
小林 雄一郎 日本大学, 生産工学部, 准教授 (00725666)
川口 勇作 愛知学院大学, 教養部, 講師 (10805378)
石井 雄隆 千葉大学, 教育学部, 准教授 (90756545)
APPEL RANDY 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 准教授 (10802043)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 自動採点 / 学習者コーパス / 言語テスト / 言語の複雑性 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、自動採点研究において、第二言語習得研究、学習者コーパス研究、言語テスト研究の知見を活用すること、自動採点システムの構築において得られた知見をこれらの分野に還元することである。これらの関連分野の研究者と協働することで目的を達成しようとするものである。2022年度は、入学試験への自動採点システムの導入を検討する研究に参加した。この研究では、自動採点システムを構築し、実際に教室内に受験環境を用意し、構築したシステムの実用可能性を検討するための実験を行った。自動採点システムの精度を検証し、成果論文を投稿した。また、学習者コーパスに関する研究では、学習者言語の複雑性の指標となりうる特徴量の検討を行い、その成果を2023年度に発表する予定である。 今年度の学習者コーパスの研究において、これまで学習者のパフォーマンスを「複雑さ」という観点から捉える特徴量として考えられてきた特徴量を検討する機会が得られた。これまで「複雑さ」に関する特徴量と考えられていたもの(1文あたりの語数)などは、直接的に言語の「複雑さ」を測定しているものではなく、言わば代理指標であると考えることができる。言い換えれば、これまでの言語の「複雑さ」に関する研究は、統語構造の「複雑さ」に関して検討していないということが分かった。このような知見に基づき、本研究では、依存文法に基づき文を解析した結果(依存木)をグラフ理論におけるグラフとして捉え、このグラフの構造の複雑性に関する特徴量を文の「複雑さ」と捉えた場合の分析を試みた。結果、グラフ理論に基づいた分析を用いることで、これまで伝統的に使用されてきた「複雑さ」に関する特徴量に比べ、言語の「複雑さ」を直接的に評価できる可能性が示唆された。
|