• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

日本語識字力を有する英語学習者の英語綴り力の実態と効果的な学習方法の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K00855
研究機関新潟経営大学

研究代表者

川崎 眞理子  新潟経営大学, 観光経営学部, 教授 (30779989)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード英単語 / 綴り力 / 英語正書法 / 英語力
研究実績の概要

2020年度末に実施した実験1のデータ解析を行った。実験1は日本人英語学習者の英語の綴りの規則の知識(正書法知識)を調べる目的であり、それは英語運用能力とともに向上するとの仮説を検証した。実験に協力した日本人英語学習者は聞こえてきた英単語を自由に、あるいは綴りの一部をヒントに綴った。その結果、適正に綴ることと、別途調べた語彙サイズとの間に相関関係がみられた。聞いた単語は、実際に存在する単語(実単語)と、音声的には英語として妥当であるが実際には存在しない単語(非単語)であったが、実単語のほうが非単語より正答率は高かったものの、実単語においても正答は50パーセントを少し上回る程度で、実単語では約30パーセントにとどまり、語末の文字をヒントとして与えた場合でも40パーセントに近づく程度であった。当該結果の一部は、新潟経営大学紀要に投稿した。また、2020年5月の第7回International Language in Focus Conference、Malta)での発表が採択されていたが、開催延期となった。発表の権利は維持されている。
実験では、綴りをキーボードで入力してもらい、最初の文字入力までの反応時間をも計測した。この反応時間については、キーボード入力の個人差が関係すると考えられるため、現在実験冒頭での練習課題において簡単かつよく知っている単語の綴りを入力したときの反応時間で相殺する試みを行っている。
想定以上に正答が少なかった理由として、聞こえてきた単語の聞き取り能力が考えれる。綴りの様子から、例えばhitをhintと綴るような誤りが見られたからである。聞こえたとおりに綴ることが、想定していた以上に困難を極めていることが理解できた。どのように聞こえたかを復唱によって確認することも必要であろう。次の実験では、この制約を含めて、より精度の高い実験を計画している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2019年度末に参加者を募り実施した実験を最後に、対面での行動実験が不可能となった。WEB上で同様の行動実験を行うために、実験計画を一部変更し、試行したが、画像と音声を配信し反応時間を測る場合、インターネットの通信速度のが大きく影響することが判明した。特に、受信側(下り)が低速であると、画像と音声に時間差が生じる。また、あらかじめ実験パッケージを送信しておき、実施してもらう方法も検討したが、実施状態の信頼性が懸念された。加えて、参加したのちに、その回答について面談を実施することもできないため、実行に至らなかった。

今後の研究の推進方策

実施済みの調査の制限事項を修正して、実施し、収集したデータを分析し、報告する。また、2020年度に発表できなかったものを今年度の学会(遠隔を含む)にて発表する。年度当初、十分な感染防止策を講じての対面の調査が可能になっているが、昨年度の授業状況の影響で、学生の実験参加を求めることが難しい状態にある。さらに再度遠隔授業に移行する可能性もあるので、対面実験実施は非常に厳しい状況にある。その間、文献調査を行う。

次年度使用額が生じた理由

発表予定であった国際学会が中止となり、参加費並びに旅費が発生しなかった。今後も学会は遠隔が考えられるため旅費は引き続き不要と考えている。その場合WEBを利用した実験用のソフトウェアおよび分析用ソフトウエアの購入に切り替える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 英語学習者の英単語の書き取り力と語彙サイズの関係2020

    • 著者名/発表者名
      川﨑眞理子
    • 雑誌名

      新潟経営大学紀要

      巻: 27 ページ: 31-42

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi