本研究では、20世紀初めの東京を中心とする首都圏地域の災害を研究対象とした。1910年関東大水害、1917年東京湾台風のほか、それらへの対応に影響を与えた1905年東北大凶作、1914年桜島噴火、海外の諸災害についても検討した。その結果、(1)20世紀初めに日本の災害対応体制が整えられていくこと、また(2)日本の国際的な災害支援活動への関与も本格化していくことがわかった。これらにより、1923年の関東大震災が起きる前の首都圏の防災体制が明らかになった。 自治体史の記述をもとに首都圏の災害データをまとめた首都圏災害史年表(幕末・明治編)を作成した。
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