古代日本と韓国の溜池に共通する土木技術は、地盤や盛土を補強する補強土工法である。7世紀に誕生した日本最古のダム式溜池である狭山池の補強土工法は、三国時代百済の義林池(忠清北道堤川市)に類似する。 7世紀の日本は、治水灌漑施設などの社会基盤整備を進めることが急務であり、友好関係にあった百済に要請して、ダム式溜池の設計・建造の土木技術の提供を受けた。古代王権が掌握する土木技術は、日常的な交流で伝わったものでない。百済は江南の六朝から、古代日本の王権は百済から友好関係を通じても入手したと考えている。狭山池は、中国江南にはじまる古代東アジア溜池ロードの終着点である。
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