研究課題/領域番号 |
18K01168
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
鏡味 治也 金沢大学, 人間科学系, 教授 (20224339)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 民族意識 / 民族帰属 / 国民意識 |
研究実績の概要 |
インドネシアの民族意識変化の基礎データとなる2000年センサス原データ(デジタル版)を変換したExcelファイルへの変換をもとに、5月11日(土)に東京大学駒場キャンパス内で催したインドネシア研究者との研究打ち合わせでその内容を披露し、データを共有した。 8月2日から同11日にかけてはインドネシアのバリ島に渡航し、書籍資料を収集したのち、東ジャワ州のルマジャン県にあるヒンドゥー寺院を訪れ、当地のジャワ人ヒンドゥー教徒の信仰生活と民族意識について聞き取り調査を行った。バリ島のバリ人が主導したインドネシア建国後のヒンドゥー教改革の影響を大きく受けながらも、バリ人ヒンドゥー教徒とは違うジャワ人式通過儀礼を維持するなど、同じ宗教徒でありながら民族差異を示す興味深いデータを収集できた。 また本研究の基礎資料として前年度末に発注した、申請者のこれまでの40年間にわたるインドネシア調査で蓄積した3300枚ほどのカラースライド写真のデジタル化が完了した。これは同一地域、同一調査村での民族意識の経年変化を追う基礎資料となる。なおその費用の一部が今年度予算に大きく食い込んだため、次年度予算の前倒し支払いで今年度の国内・海外出張費等の一部を補った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2000年センサスの原データのExcelファイル化や、これまでの申請者の撮りためたカラースライド写真のデジタル化が完了し、本研究の基礎資料が2年目にして整った。 また民族意識に関するインドネシアでの現地調査も、いちばんアクセスの難しいと予測された東ジャワ州ルマジャン県のジャワ人ヒンドゥー教徒に関する聞き取り調査が実施でき、バリ人ヒンドゥー教徒との違いを示す貴重なデータが得られた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きインドネシア各地各民族の現時点での民族意識のありようを明らかにすべく、これまで訪れた地域と違う地域を訪れて、聞き取り・アンケート調査を行う。南スラウェシ州マカサル市、西ジャワ州バンドン市、そして首都ジャカルタ市等を今後の現地調査の候補地として計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
「その他」で計上したカラースライドのデジタル化費用が予想以上に多かったため、20万円の前倒し支払いを請求して不足分を補ったが、それ以外に出費を予定した年度末の国内出張をコロナウイルス禍により見合わせるなどしたため、次年度送りとした。
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