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2022 年度 実績報告書

犯罪への共同体再生型環境的アプローチの可能性と限界

研究課題

研究課題/領域番号 18K01213
研究機関名古屋大学

研究代表者

松尾 陽  名古屋大学, 法学研究科, 教授 (80551481)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード環境的アプローチ / 割れ窓理論 / 状況的犯罪予防 / AIガバナンス / 監視 / 規制手法の多様化
研究実績の概要

本研究課題は、建築的・情報技術的な環境を変化させることによって人びとの行動を誘導しようとする環境的アプローチ、とりわけ、コミュニティの形成に影響を与える環境的アプローチに焦点をあてるものである(法規制との比較も視野に入れた多様な規制手法論がその背景にある)。具体的には、日本の「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」を、英米の犯罪予防論と比較しながら、分析することを出発点とし、この点については早期に研究論文を執筆し、2020年7月公刊の書籍に収録された。
研究課題の遂行に影響を与える社会変化が生じた。一つはコロナである。もう一つはAI技術の発展である。コロナ禍については、一方で、研究中期に計画していた海外渡航が難しくなった(代わりに、理論的な分析についての意見交換を海外の研究者とオンライン上で行うことができた)。他方で、日本におけるコロナ禍の規制手法それ自体が、本研究課題に大きく関わるため、こちらの研究・分析も実施し、複数の論文を公刊することができた(3本、近刊予定1本)。
AI技術やその倫理的意義の議論の発展も目まぐるしく、犯罪予防における利用は既に始まっている。それゆえ、本研究課題と大きく関わり、AI技術の制御のあり方の研究にも着手した。AIガバナンスのあり方や監視のあり方について、いくつかの論文を公刊することができた(AIガバナンス2本、監視関係2本)。研究機関の最後の方では、EUのAI規制法案が出され、その分析を行っていた。この点についての研究成果はこれから公刊していきたい
最後に、本研究課題の背後にあるのは、規制手法の多様化の問題である。この、より一般的な課題についても考察を深めることができ、この点に関する論文を公刊することができた(1本)。
海外渡航が難しくなったものの、論文公刊数を指標にすると、当初の予定より多くの成果を挙げることができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 監視と自由――権力による監視と権力に対する監視2023

    • 著者名/発表者名
      松尾陽
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 95 ページ: 78-82

  • [雑誌論文] A Reflection on Enlargement of Surveillance/Sourveillance by IoT/AI and its Regulations2023

    • 著者名/発表者名
      Matsuo Yo
    • 雑誌名

      Journal of the Robotics Society of Japan

      巻: 41 ページ: 14~17

    • DOI

      10.7210/jrsj.41.14

  • [雑誌論文] ワクチン接種をめぐる法哲学2022

    • 著者名/発表者名
      松尾陽
    • 雑誌名

      學士會会報

      巻: 954 ページ: 16-20

  • [雑誌論文] プライバシーの論じ方――「放っておいてもらう権利」の登場背景とその受容の受難2022

    • 著者名/発表者名
      松尾陽
    • 雑誌名

      α-SYNODOS

      巻: 304 ページ: オンライン

  • [学会発表] A Variety of and Dynamics of Regulations—Their Challenges to Rule of Law―2023

    • 著者名/発表者名
      Matsuo, Yo
    • 学会等名
      Contemporary issues of Constitutional and Administrative law
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 監視と自由――権力による監視と権力に対する監視2022

    • 著者名/発表者名
      松尾陽
    • 学会等名
      基礎法学連合シンポジウム
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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