フランスではマンションの荒廃を予防・治癒・処分する制度が体系化され、意思決定と資金調達の2点で区分所有者が主導することで安定した居住が確保できる。すなわち、建物・設備の劣化による物理的脅威を阻むために行う資金の準備、居住者に危害を与える人的脅威を阻むことのできる管理者の選任等の制度は整っている。住居費につき、区分所有者は負担するか当該区分所有権を譲渡するかを選択し、賃借人は負担できない場合は住居費援助を利用する。 残された課題は、①居住区分所有者・賃借人の住居費負担の具体的な分析、②区分所有者と管理者から成る管理制度を定める区分所有法とマンションを利用する居住者の新たな関係の構築である。
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