研究課題/領域番号 |
18K01322
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05050:刑事法学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
安達 光治 立命館大学, 法学部, 教授 (40348868)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 共謀罪 / 重罪等合意罪 / 犯罪団体結成罪 / テロ団体結成罪 / テロ等準備罪 / ドイツ刑法 |
研究成果の概要 |
本研究は、2017年のテロ等準備罪創設をきっかけに、ドイツの共謀罪の歴史的展開と現状について調査、検討したものである。ドイツの共謀罪である重罪等合意罪はイタリア由来の謀議罪から発展し、19世紀のラント刑法に規定があったが、1871年ドイツ帝国刑法典の総則には設けられなかった。その後、第2次大戦前の刑法草案に盛り込まれ、1943年の刑法改正で導入されたが、直接にはナチスの刑法思想の影響がある。この規定は戦後も残ったが、現状ではあまり適用されていない。犯罪団体結成罪は、帝国刑法典当初からあり、後にテロ団体結成罪が加えられた。特に前者は、実務上、組織犯罪を検挙する手がかりになる。
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自由記述の分野 |
刑法解釈学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、共謀罪の研究は英米法が中心であった。これに対し、日本の刑法解釈学はドイツ法の影響を強く受けている。本研究の意義は、日本の刑法学の発展過程を踏まえ、ドイツの共謀罪に目を向けたことである。ドイツの共謀罪には、重罪等合意罪と犯罪団体結成罪・テロ団体結成罪の2つの系列がある。重罪等合意罪は、もともとドイツ刑法典にはなくナチス時代に創設されたものであるが、そのような経緯もあり、現状ではあまり活用されていない。犯罪団体結成罪は、組織犯罪対策における実務的意義はあるが、積極的に活用されてはいない。日本が影響を受けたドイツ法におけるこのような状況は、日本のテロ等準備罪の今後にとって示唆的である。
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