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2022 年度 実施状況報告書

フランスにおける自治体幹部職任用の変化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K01440
研究機関京都府立大学

研究代表者

玉井 亮子  京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (10621740)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード地方公務員制度 / フランス / 地方議会選挙 / 契約職員 / 幹部職
研究実績の概要

前年度に引き続き、2020年市町村議会選挙を経て、首長の党派に変化があり、選挙後、その幹部職の更迭と採用が複数、見られるといった都市について、文献調査を行った。一連の研究を進めるなかで、幹部職に採用されている者たちには正規職員が数としては多いものの、契約職員も含まれることが確認できた。そこで2022年度は(1)自治体の職員任用と自治体の政策パフォーマンスとの関係性に注目して、2020年市町村選挙後、幹部職として任用された者と、その市の政策の動向との関連性を探ること、(2)自治体において、幹部職において契約職員の任用が定着している理由について、検討を試みた。
(1)については、以前から都市政策に関連する幹部職任用を追っていたボルドー(bordeaux)市の人事部局へインタビュー調査を行った。事前の文献調査を通じて、左派政党と緑の党との政治協定があることは把握していたが、インタビュー調査を通じて、2020年市町村選挙後、新たに部局長レベルには、左派政党が党首を務める自治体でキャリアを積んだ者が採用されていることを確認し、一部の幹部職ポストについては、党派性に沿った採用が行われている可能性を確認した。その一方で、文献調査を通じて、都市開発事業については、2020年選挙後、緑地地域の新たな設定といった政策の採用はみられるものの、財政問題への対応から、現市長とは党派が異なる前市長時代の開発政策の継続が選択されているといった点を把握しており、市長本来の政策選好とは異なる政策が採用されていることを確認した。そのため、幹部職任用と自治体の政策パフォーマンスとの関係性の分析については、課題が残った。
(2)については、契約職員の任用制度の概要、その制度改正の方向性を確認し、自治体において契約職員任用が増加傾向にある要因を検討した論文を執筆した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

covid-19の感染状況が収束に向かうなか、2019年以降、延期となっていた現地調査を実施することができた。しかしながら、時間的な制約もあり、2都市しか現地調査を実施することができなかったことから、本研究の分析に必要な事例研究数が充分とはいえない。次年度は、事前の文献調査もさることながら、複数の都市の現地調査を実施し、研究の遅れを取り戻したい。

今後の研究の推進方策

現地調査に備え、引き続き、文献、資料を通じた調査を実施する。また都市における人事政策研究についての基礎的文献の精読、また分析モデルの把握に努める。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染拡大に伴う情勢変化によって、当初、予定していた海外での現地調査を1回しか実施することが出来なかった。次年度は年度中2回の現地調査を実現すべく、準備を進めるとともに、文献調査を継続して行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] フランスの地方公務員制度における契約職員の 任用制度とその特徴2022

    • 著者名/発表者名
      玉井 亮子
    • 雑誌名

      京都府立大学学術報告(公共政策)

      巻: 14 ページ: 21-43

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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