研究課題/領域番号 |
18K01444
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
大串 敦 慶應義塾大学, 法学部(三田), 准教授 (20431348)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ウクライナ / 政治体制 / 求心的多頭競合体制 / 政党 |
研究実績の概要 |
2019年度の研究成果は、公刊(予定含む)論文が2本、学会報告が3つになる。まず、論文として、2019年に行われたウクライナ大統領選挙に関して情勢解説を公刊したほか、ウクライナの政党野党ブロックに関する論文が国際的な査読誌に近刊される予定である。 また、学会報告は、スラヴ・ユーラシア研究東アジア学会でウクライナ政治に関するパネルを組織し、議会選挙前の段階でウクライナの既存政党が大きなダメージを受ける可能性が高いとする趣旨の報告を行った。この観察はその後の議会選挙の結果によって裏付けられた。さらに、北海道大学スラヴ・ユーラシア研究センターの夏期国際シンポジウムでウクライナの比較対象事例であるロシアの官僚制に関して報告した。次いで日本国際政治学会の共通論題で、ロシアの対外政策決定過程に関して報告を行い、ウクライナ危機に際してのウクライナ現地のアクターとロシア当局とのかかわりが重要であると論じた。 2019年度は、3月に現地調査を行い、新大統領誕生以後の政治体制の変化について考察する予定であったが、新型コロナウィルスの影響で取りやめになった。また、その現地調査に基づいて2020年度の中東欧研究世界大会で報告する予定であったが、最近大会が2021年に延期になるというアナウンスがあった。2019年度は、このような年度末の事情により、予定通りの研究遂行が困難になったほか、2020年度の研究遂行にも大きな支障が出ることが予想される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度末から全世界的に拡大した新型コロナウィルスの影響で、予定していた現地調査をキャンセルしたため、論文の構想に大きな支障が生じている。2020年度には、この問題は一層拡大する傾向を見せており、当初計画した現地調査をはじめとした研究計画の見直しが必要な状況である。
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今後の研究の推進方策 |
現地調査が可能となる時期がいつになるかによって状況は大きく変化してくる。年度内いっぱい程度不可能になる最悪のケースを想定した場合、国内でできる文献調査やこれまでの人脈を活用したソーシャルメディアを利用したインタビュー調査によって補うしかなくなるであろう。そのうえで執筆する論文の内容も、現地調査にあまり依拠しないタイプのものに変更する必要が出てくるかもしれない。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に遂行を予定していた現地調査が、新型コロナウィルスの影響で不可能になったことが最大の要因である。2020年度以降に予定通り遂行できるかどうかは、このウィルスの世界的な拡大がいつ頃収束するのかにかかっている。仮に2020年度いっぱい収束しないという最悪の予測を立てた場合、文献調査を中心とした研究に切り替えざるを得なくなるだろう。
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