| 研究課題/領域番号 |
18K01452
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| 研究機関 | 南山大学 |
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研究代表者 |
星野 昌裕 南山大学, 総合政策学部, 教授 (00316150)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 中国政治 / 民族問題 / 民族政策 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、中国政治の変容過程を分析するには中国社会の多民族性を射程に入れる必要があるとの認識から、とくに中国の民族政策の枠組みがどのように変化しつつあるのか、その変容過程を明らかにすることを目的としている。
この研究を深めるためには中国における少数民族地域でのフィールドワークが必要であるとの考えから、中国社会科学院の中国人研究者らとともに少数民族政策の現状と課題に関する現地調査を実施することとしていたが、新型コロナウイルス感染症が世界的に蔓延する中で、２０２０年度は中国へ渡航することができなかった。
このような状況に対応するため、インターネットの双方向型交流機能による中国人研究者との意見交換、また文献資料やウェブで入手可能な資料等を分析することによって、民族政策の転換という観点から中国の政治変容に関する研究を進めた。中国の民族政策について、２０２０年度はとくに新疆ウイグル自治区における人権問題、すなわち中国政府が説明するところの「職業技能教育訓練センター」に係るウイグル族の人権問題が世界的に大きな注目を集めたことから、中国の民族政策の変遷と転換という観点から、この問題について具体的な研究をすすめた。この研究によって得られた知見については、報道番組などへの出演などによっても研究成果の社会還元を行った。また中国の民族政策にとって朝鮮族の研究も重要である。朝鮮族に対する政策は、中国・北朝鮮関係が影響を与えることもあるため、このような観点から中朝関係の研究についても研究を進め、査読付きの英語論文を発表した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は４年間の研究計画のなかで、１)民族政策転換論が登場するにいたった歴史的、政治的、社会的背景の分析、２)民族政策転換論の内容および言説に対する詳細な分析と体系化、３)民族政策転換論の視角からみた中国の政治変容に関する分析、４)比較政治学的視点による他国他地域との相対的分析という４つの分析を行いつつ、少数民族地域でのフィールドワーク、インタビュー、資料収集を行うこととしている。このうち２０２０年度は、おもに文献資料等を用いて、３) 民族政策転換論の視角からみた中国の政治変容に関する分析を行った。
ただし、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大によって、海外に渡航することができず、本研究にとって重要な少数民族地域でのフィールドワークや海外公文書館などでの資料収集がまったく行えなかった。海外専門家などとはオンラインで意見交換をすすめたが、中国が権威主義体制下にあるなかで、オンラインに頼る意見交換には限界があった。そのため、２０２０年度に予定していた活動の一部を次年度に延期した。
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| 今後の研究の推進方策 |
本研究課題の最終年度にあたる２０２１年度において、１)民族政策転換論が登場するにいたった歴史的、政治的、社会的背景の分析、２)民族政策転換論の内容および言説に対する詳細な分析と体系化、３)民族政策転換論の視角からみた中国の政治変容に関する分析、４)比較政治学的視点による他国他地域との相対的分析という４つの分析のうち、おもに４)比較政治学的視点による他国他地域との相対的分析を行いつつ、２０２０年度より持ち越した３）民族政策転換論の視角からみた中国の政治変容に関する分析についても継続して実施していく。
２０２１年度においても新型コロナウイルス感染症の影響で、海外研究者との意見交換やフィールドワーク、また海外の公文書館などでの資料収集が十分に実施できないことが想定されるので、それに代替しうる研究手法を模索しつつ、４年間の研究課題の総合的なまとめを行う。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
（理由）新型コロナウイルス感染症拡大の影響で現地でのフィールドワーク等が実施できなかったことなどから次年度使用額が生じた。
（次年度使用計画）新たな研究手法の導入に伴う必要物品の購入のほか、新型コロナウイルス感染症拡大の影響をしっかりと鑑みつつ、当初計画としている海外出張や研究者の招聘等に使用する。
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