研究課題/領域番号 |
18K01481
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
芝崎 厚士 駒澤大学, グローバル・メディア・スタディーズ学部, 教授 (10345069)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 国際文化交渉 / 平和と音 |
研究実績の概要 |
2018年度は、「未知との出会い」に関する基礎的な作業として、理論的な精錬と具体的な研究対象におけるその適用可能性について、検討を進めた。また、「未知との出会い」を担った研究者や実務経験者へ、スイス・リヒテンシュタインに在住しつつ国際文化交流活動に貢献してきた日本人への聴き取り調査、関連文献・資料収集も一定の進展を得ることができた。その業績の一部は、所属する学部の論集に収録した複数の単著論文、共著書、学会報告などによって公表し、議論を深めることができた。
また、スイス、リヒテンシュタインに上記調査のため滞在し、研究対象に対するインタビューや資料収集を行った。具体的には、バーゼルを拠点として、日本とスイス、および日本とリヒテンシュタインの間で、クラシック音楽を中心とした国際文化交流活動を長年行ってきた野川等氏、およびリヒテンシュタイン在住で、日本とリヒテンシュタインの国際親善に大きく貢献してきた瀬尾恒雄氏に取材し、日本で開催されたそれぞれの文化交流活動の現場を観察することもできた。
加えて、バーゼル大学ヨーロピアン・グローバル・スタディーズ研究所や、関連するスイス国内の文化交流関連施設(プロ・ヘルベティア、IBBY)などを訪問し、資料収集や研究の見通しについて調査し、同研究所所属研究員と、研究上の連携可能性について協議を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論的考察については、共著書『「国際政治学は終わった」のか』(葛谷彩と共編、ナカニシヤ出版、2018年)、"Towards Global Multitude and Assembly: An Analysis of the Works of Antonio Negri and Michael Hardt"(『Journal of Global Media Studies』23号)、"Meine akademischen Erinnerungen, 1990-2018 (Erster Teil), Atsushi Shibasaki"(『Journal of Global Media Studies』24号)、「ボブ・ディランという音と平和」(『平和研究』第51号、日本平和学会、2019年6月刊行予定)などを執筆・刊行した。また上記共著書に関する学会報告を、日本国際政治学会2018年度研究大会で行った。理論上の基礎的な考察、およびアントニオ・ネグリ、ボブ・ディランといった研究対象におけるその応用などを複合的に行うことができたことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、昨年度より進めている理論的な考察及び、具体的な事例(スイス・リヒテンシュタインにおける国際文化交流のあり方、近現代日本の国際文化交流の歴史、「未知との出会い」を担った実務経験者や研究者への聞き取り調査など)に関する調査をさらに進展させることで、実証的な考察と理論的な検討を複合的に進めていく作業をさらに発展させていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた出張関係の経費および消耗品の購入が、予定より少なく済んだため、未使用額が生じた。次年度使用額に関しては、前年度予定していて実現できなかった国内・国外での調査や専門的知識の提供などに充当する予定である。
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