研究課題
基盤研究(C)
本事業では、金融政策の効果について実証的な研究を行った、特に焦点を当てたのは、様々な状態に応じて政策効果が変わりえるという点である。その結果、国際的査読誌(Journal of Money, Credit, and Banking, Macroeconomic Dynamics, Economics Letters)に3本の論文掲載があり、国際・国内学会およびワークショップで3回の報告を実施した。これに加えて、ディスカッションペーパー1本も公表した。
経済政策
本研究で明らかにされた金融政策効果の状態依存性は、これまであまり顧みられることがなかった点を取り上げており学術的な新規性は高い。また本事業から得られた成果は、学術的なものに留まらず、実際の中央銀行の政策運営についても、具体的な示唆に富んでいる。例えば、政策効果のサイズ依存性を明らかにしたことは、十分な利下げ余地がない場合に、中央銀行がどの様な政策を選択すべきかについて、実証的な裏付けを与えている。また、株買入の状態依存性については、より少ない金額で高い効果を上げることが可能であることを示唆しており、現実的な政策インプリケーションを持つ。