研究課題
基盤研究(C)
本研究課題ではスキルのミスマッチが賃金に与える影響及びその影響の大きさと雇用の流動性に関する制度との関わりについて分析した。分析の結果、労働者のスキルと仕事に必要なスキルがマッチしている場合と比較してスキルが過剰な場合は賃金が低くなる傾向にあり、スキルが不足している場合に賃金が高くなる傾向にあることが示された。さらに、積極的労働市場政策はミスマッチが賃金に与える影響を緩和することが示された。
労働経済学
本研究の学術的意義は、スキルの過剰な場合は賃金が低くなり、不足している場合は賃金が高くなることを明らかにした点、スキルの過剰や不足による賃金のプレミアムとペナルティーは積極的労働市場政策により緩和されることを示した点である。筆者の知る限りスキルのミスマッチが賃金に与える影響がどのような政策と関わりがあるのかを分析した研究はないため、新たな知見を得ることができた。