第一に、レバレッジ安定性の計測については、金融システムで銀行が重要な役割を果たしている日本では、レバレッジの安定性が高いとの結果を得た。第二に、レバレッジ変動性と需要要因・供給要因との関連性の分析については、企業はIPO後に銀行借入と社債の負債構成、銀行借入における調達構成を大きく変化させること、しかしIPO前のメインバンクは継続して貸し手として関与し続けるということが判明した。第三に、レバレッジと企業行動との関係については、レバレッジの多寡が、配当と投資行動とのトレードオフに影響すること、また大型投資前に財務柔軟性を確保するためレバレッジを低下させることが判明した。
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