まだ明らかになっていないマルコフ過程、特に拡散過程、が持つ性質を研究し、その結果を利用することで、従来取り扱うことが困難であった問題を明示的に解くこと、一般的なマルコフ過程に共通する手法を開発することで実務的なファイナンス問題への適用範囲を拡大すること、既存の方法に従来と異なる視点を加えモデル分析の精緻化を図り、新たな知見を得ることを目的とする課題である。具体的にはレジームスイッチする拡散過程を対象とした最適停止問題、時間反転を利用したクレジットリスク管理の精緻化、企業の倒産時における資産価値の分布の推計などの研究を遂行した。最初の2つのテーマについては国際的査読誌にアクセプトされた。
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