本研究は伝統的な金融政策である金利政策に加えて非伝統的と言われる量的緩和策が、リスクを伴う金融資産である株式の収益率にどのように影響するか実証研究を実施した。研究対象は米国であり、フェデラルファンドレートと中央銀行のバランスシートを用いて金利と量的緩和ショックを測定した。概して株式リターンに対して量的緩和が正に、金利引き上げが負に影響することが見出された。大型株よりも小型株が緩和策施行後(金利の利上げ時に)、より大きく値を上げる(下げる)傾向を示す。市場の状況に依存した政策効果も調査した。全体的にベア市場時に量的緩和策の影響が増加し、金利政策は市場の状況により著しい差異は観測されなかった。
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