本研究課題は、中小企業政策が中小企業経営に与えた影響について、ジェンダーの視角から歴史実証的な分析を深めたものである。特に、日本の中小企業政策が中小企業経営者をその家族を含めていかに組織化したのか、また中小企業者はいかなる運動を展開したのかという観点から、文献研究に基づき、考察を加えた。このことにより、中小企業者の組織における女性の活動のしかた、税制をめぐる中小零細企業者の状況と運動の展開を整理した。加えて、日本の特性を理解するため、女性家族従業者に関する欧州の状況に関する資料収集を行い、比較の視座を得た。
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