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本研究は、中小企業が有効なマネジメントによってどのように成長や発展を実現していくかという成長発展プロセスと、成長発展に寄与する国際化との2つの学術的視点から、メコン経済圏の南部経済回廊上にある諸都市において、事業展開を試みる日本の中小企業を対象に、そのケース・スタディを積み重ねることで、国際化による成長や発展のいくつかのパターンを把握し、そのパターンごとで日本の企業組織がいかに変革していくのかというプロセスを明らかにすることを目的としている。
2020年度から英国での在外研究が決まっていたため、メコン経済圏の南部経済回廊上にある諸都市、具体的には、タイ・バンコク、カンボジア・シェムリアップ、ベトナム・ホーチミンでの現地調査を、2019年度に予定を前倒しして実施した。2020年度は、英国ならびに韓国の研究者との交流からヒントを得た、アントレプレナーシップに関連した諸研究をレビューした。レビューの内容は、具体的には次の3点である。1つは、アントレプレナーシップ研究領域のなかでも企業家活動プロセスをめぐる諸議論を整理し、議論の到達点やその射程を明らかにした。2つは、中小企業による国際化をアントレプレネリアル・インターナショナライゼーションととらえ、それに関連する諸議論を整理することで、国際化による中小企業の成長・発展にかかる分析枠組の構築を試みた。3つは、国際化を企業家による危機や逆境への意思決定としてとらえ直すことで、危機や逆境といった局面での企業家活動プロセスをめぐる諸議論を整理し、その分析枠組の構築を行った。
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