研究課題
新型コロナウイルス感染症の影響で1年の延長を余儀なくされた最終年度も引き続き、東アジア(韓国、中国、台湾、日本)における障害者権利条約の実施と障害者組織をはじめとする市民社会の役割について研究を深めた。2024年1月には、日本の初回審査に関する包括的な著作である『障害者権利条約の初回対日審査:総括所見の分析』(法律文化社)を編者として刊行した。また、2024年3月に刊行された『障害学の展開:理論・経験・政治』(障害学会20周年記念事業実行委員会、明石書店)では東アジアにおいても大きな影響を持つ国際的障害者運動に関する章を担当し”voice of our own” から”nothing about us without us”への転換を分析した。また、2023年10月に韓国ソウルにて対面開催された障害学国際セミナーにおいては、政策をテーマとするセッションにおいて座長を務めた。補助期間全体を振り返ると、研究テーマに関連して、筆頭編者として『障害者権利条約の実施:批准後の課題』(信山社、2018)、『わかりやすい障害者権利条約』(伏流社、2019)前述の『障害者権利条約の初回対日審査』の3冊を上梓した他、東アジアにおける障害者の権利条約と障害者組織をはじめとする論文を国内外で多数、発表することができた。講演は、東アジアの韓国、台湾、中国に加え、域外の英国、パラグアイ、ラオス、リトアニアで対面実施した他、オンラインでは、米国の障害学会の大会、フランス国立社会科学高等研究院の日仏障害研究フォーラムでも報告を行った。障害者権利条約に関して2022年8月の①台北での中華民国の建設的対話、②韓国、日本(初回)、中国との建設的対話すべてに立ち会うことができた。そうした経験を、建設的対話を含む審査過程の結果、作成・公表された総括所見の分析に活かすことができた。
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