施設コンフリクトに関する先行研究では主に施設側の受け入れ要因について指摘するものが多く、地域社会側の受け入れ要因について具体的には掘り下げられてこなかった。生活困窮者自立支援施設を対象にした本研究では、地域住民による理解とともに、社会変動に伴い当該地域が抱えてきた課題も、地域による施設受け入れの判断に影響していることを明らかにできた。このことからは、コンフリクトの回避よりも、コンフリクトに目を背けず対峙することを前提にした施設と地域社会の日常的な相互交渉に基づき、様々な取り組みを協働することにより、当該地域の課題解決と併せて排除と差別に抗するまちづくりを構想するという糸口を見出すことができる。
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