研究課題/領域番号 |
18K02167
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研究機関 | 日本社会事業大学 |
研究代表者 |
村田 文世 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 准教授 (80465781)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 社会福祉法人 / マルチステークホルダー理論 / 地域における公益的取組 / 組織ガバナンス |
研究実績の概要 |
初年度から取り組んでいる社会福祉法人のガバナンス分析に用いるマルチステーク・ホルダー理論について、社会福祉法人が、2000年以降の市場化するなかでThird government化に伴うアカウンタビリティの拡大という観点から、公益的活動の法制化について理論的整理を行った。研究成果については、「社会福祉法人のThird Party Government化に伴うアカウンタビリティの拡大と”公益的取組”の法制化」と題して、日本社会福祉学会の招待を受け、韓国社会福祉学会(2019年4月27日於.韓国ソウル神学大学校)において学会発表を行った。韓国の研究者との交流を通して、アジアにおいて先行的な韓国の社会的企業や現状などに関して情報収集することができ、今後の海外視察等へのヒントを得た。研究論文に関しても現在、準備中である。 また、社会福祉法人における公益的活動を可視化する手段としてのソーシャル・バランスシートの妥当性を検討するために、地域福祉学会や海外研究者を招聘した研究会への参加を通して最新の社会的企業に関する情報収集、交流を行った。果たして、社会福祉法人は、今般の公益的活動の法制化などを契機に、地域の新しい事業体として変化することができるのか、社会的企業論の視点から理論的な検討を進めている。 最後に、フィールド調査に関しては、千葉県の社会福祉法人を対象に、社会福祉事業や 地域貢献活動に関するガバナンス分析を行う予定である。法人の事業報告書等の資料収集や理事長への予備的インタビュー調査を行う傍ら、法人内の活動拠点等への視察を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度、とりわけフィールド調査に関して遅れが生じている。調査先の千葉県の法人や全国の法人への訪問調査に関して、9月以降の台風被害や2月以降のコロナ災禍など社会情勢の影響などから遅れが生じた。海外視察に関しても、韓国等への渡航が叶わず来年度以降への繰り越しとなった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、最終年度として、社会福祉法人をめぐる理論的研究と同時に、遅延しているフィールド調査に注力したい。千葉県の社会福祉法人に関するガバナンス分析と併せ、京都府、奈良県、大分県、鹿児島県、香川県など、全国の先駆的活動を行う法人の調査等を、社会情勢を見極め早期に再開する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度に予定していたフィールド調査や海外視察が遅延し、旅費、人件費等の経費を中心に次年度使用額が生じた。来年度できるだけ早期に訪問調査や社会的企業等の視察等の計画化を進め、旅費費等に充当させたい。
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