本研究では、母子間での物質移行の中でも摂取する栄養素および、それにより変化する腸内細菌叢が、それぞれどのように仔の1型糖尿病発症に関わっているのかについて検討した。1型糖尿病になりやすい系統、および近縁系統で糖尿病を発症しない系統のマウスを用い、母体の腸内細菌叢の違いが仔の1型糖尿病発症率や病態形成にどのように影響するのかについて検討を行った。その結果、NODマウスの腸内細菌叢は、発症前後の病態の変化とともに腸内細菌叢の変化が生じ、妊娠母体が摂取する食餌に含まれる食物繊維の違いにより、仔の自己免疫反応の進行に影響を及ぼす可能性が示唆された。
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