研究課題/領域番号 |
18K02418
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2018-2021) |
研究代表者 |
西田 芳正 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 教授 (10254450)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 近隣効果 / 地元 / 公営住宅 / 移行 / 貧困 |
研究成果の概要 |
本調査は、日本の公営住宅地域に不利な状況にある住民が多数生活している実態を踏まえ、地域での観察・生活史インタビュー調査を通して地域社会の形成過程とその地域での子どもの移行過程を明らかにした。教育達成などの低位性は見られるものの、住民による地域活動は活発に展開され、子ども・若者を地域で支える意識と取り組みも特徴である。住宅や学歴面での「ハシゴ」をのぼらない、メリトクラシーから距離を置いたライフスタイルが根付いている「地元」の世界の存在を確認することができた。欧米の研究で注目されている近隣効果のユニークな現れであり、従来の住宅政策、貧困対策に再考を促す知見である。
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自由記述の分野 |
教育社会学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
欧米で社会的排除の顕在地域として注目され、日本でも生活困難層が集住する傾向にある公営住宅地域でのインテンシブな調査を行った結果、欧米での知見と対照的に、活発な住民による地域活動を確認し、子どもの移行については教育・地位達成としては低位であっても、当事者の満足度は高い。こうした「地元」の世界の形成とそこでの移行過程、当該地域における学校教育との関連から、住宅政策、貧困対策、教育のあり方の再考を促す契機として意義のある知見を引き出すことができた。
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