研究課題/領域番号 |
18K02660
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
土井 徹 富山大学, 学術研究部教育学系, 准教授 (60782125)
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研究分担者 |
岸本 年郎 ふじのくに地球環境史ミュージアム, 学芸課, 教授 (70728229)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 外来種 / 授業 / 小学校 / 中学校 / 教育課程 / ESD / 理解 / 行動 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するグローバル・アクション・プログラム」に対応し,生物多様性保全の実現に向けた外来種問題に関する小・中学校一貫の理科の教育課程を開発することである。外来種の防除や駆除に詳しい自然史系博物館の研究者およびESD先進国のドイツの理科教育研究者と連携して,外来種の移入の経緯や現状について適切に理解し「外来種とどう向かい合うか」について多面的に考えることのできる単元,授業を開発する。そして,複数の小・中学校において授業の実践と評価を行い,最終的には小・中学校において実施可能な教育課程の範例を提示することが,その具体である。 2年目の2019年度は,研究初年度に開発した小学校の教育課程を,研究協力校を含む日本の小学校5校で実践し評価を行うためのデータを採取した。このデータはすでに整理して日本理科教育学会全国大会(2019年9月)で発表した。発表内容は加筆修正して,学会誌へ投稿する予定である。また,中学校の教育課程は2019年5月と8月に行ったドイツの理科教育研究者との議論を踏まえて研究代表者と研究分担者で開発し,2019年12月および2020年3月に研究協力校において実践・評価を行った。採取したデータをまとめて,2020年度に学会発表等で公表する予定である。 なお,公表した主な研究成果には以下がある。 2018年度にエントリーしたヨーロッパ科学教育学会(ESERA,2019年8月開催)での発表では,海外の研究者から授業内容の改善に関するコメントや共同研究の打診等の成果を得た。中学校の教育課程を開発するため2019年3月に行った実態調査の結果をまとめた論文が日本環境教育学会誌に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小学校の教育課程の評価は計画通りに実施した。一方,中学校の教育課程については,2018年度の研究の進行がやや早まったため,開発に加えて授業の実践および評価を2年目に実施することができた。学会発表や論文の執筆・投稿も計画通り順調に推移している。 他方,教育課程の範例の提示を含めた本研究課題の研究成果については,予定していた研究2年目後半以降のWEB上の公開を含めて,より効果的な方法について現在検討中である。したがって,進捗状況を(2)とした。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度に中学校の教育課程の評価を行う。2019年度に採取したデータおよび2020年度に採取予定のデータを整理して学会発表等で公表し,他の研究者からの評価を受ける。また,2019年度に日本理科教育学会全国大会で発表を行った小学校の教育課程の開発と評価について,加筆・修正した内容を学会誌に投稿する。 一連の研究成果は,生物多様性保全の実現に向けた外来種対策に関する教育課程開発およびESDに関する「多様なステークホルダーによる活動や経験共有のためのプラットフォーム構築」の基礎資料としてWEBページまたは紙媒体にて公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果公表の方法として、ホームページ開設を予定していたが、紙媒体も候補として検討中で、結果としてホームページ未開設であるため。またデータ整理用コンピュータの購入を2020年度に先送りしたため。
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