研究課題/領域番号 |
18K02725
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大林 小織 大阪大学, グローバルイニシアティブ機構, 准教授 (50791266)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 大学国際化 / 組織構造 / 組織学習 / 組織間連携 / 社会的インパクト |
研究実績の概要 |
2021年度も計画していた外国での調査は新型コロナ感染症の影響を受けて実現に至らなかった。国内調査については、研究協力者との議論に基づくリサーチ・デザインにしたがって、研究対象大学のアーカイバルデータと実施したインタビューの質的テキストの分析による実証研究を行った。具体的には、国際化戦略推進にあたり、①国際化戦略推進組織の編成、②国際化推進にかかる大学全体でのガバナンスと関連組織間の意思決定構造、③大学改革における国際化の位置づけ、④国際化による内部(大学経営)と外部(社会)へのインパクト、について分析・考察した。今後採取データの追加の適否を検討する。 また、大学の内部環境に影響を与える次の二つの新たな視点を文献調査に取り入れ、翌年度に延長して実施することとしている海外調査の準備とした。 まず、大学の国際化による外部へのインパクトについて、近年欧州で新たな研究領域が出現しており、関係文献にあたった。欧州はこれまでも高等教育の領域において数々の先駆の取組を進め、他の地域へ影響を及ぼしている。したがって、この新たな研究領域も今後発展し、わが国の大学国際化にも示唆を与えることが予想される。そのようなトレンドは大学内の国際化推進組織にも影響を与える可能性があるため、同領域について研究を進めた。その成果は学会大会において口頭発表した。また、インパクトの観点から、大学の活動、主には教育における価値創造、価値共創を分析するフレームワークを先行研究のレビューにより検討した。 なお、外国での調査は実施できなかったものの、海外の研究協力者と小規模ではあるが国際連携を支える組織の課題について共同で特定の事例研究を行い、国際会議において共同でポスター発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の影響により外国での調査が実施できず、海外との比較による考察が限定的となった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度に実施した国内調査の分析・考察に対して新たな二つの視点を取り入れ、外国の研究協力者と議論することにより、よりグローバルな文脈で再検討して研究課題に対する新たな知見の導出を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症により外国調査と海外からの研究者等招へいが実施できなかったため、次年度へ研究課題を延長してこれらの活動を行うこととする。
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